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秋の夜空を美しく彩る「中秋の名月」と、それに交差する飛行機。この幻想的な瞬間をカメラに収めることを目指し、羽田空港周辺で「中秋の名月×ヒコーキ」いわいる「月丼」と呼ばれる撮影に挑戦した体験をご紹介します。羽田空港周辺には、飛行機の離着陸を間近で捉えることができる撮影スポットがいくつも存在し、各スポットの特徴や魅力、さらに撮影時の注意点なども詳しくお伝えします。(撮影日2024年9月17日)
空と大地を繋ぐ飛行機と月の奇跡的な共演。その一瞬を捉えるために選んだスポットや準備、宿泊先での体験を共有したいと思います。
はじめに、空と月、そして飛行機のコラボを夢見て…
「月丼」とは、満月や中秋の名月などの月にその前を通過する飛行機がシルエットとして浮かび上がる一瞬を捉えた写真のことです。この美しい瞬間を捉えるため、今回、私は羽田空港周辺の撮影スポットを巡りながら「月丼」に挑戦しました。撮影日は、中秋の名月に当たる2024年9月17日。秋の澄んだ夜空に浮かぶ満月が、静かに通り過ぎる飛行機との共演を夢見て、私は事前準備を念入りに行い、撮影に臨みました。
場所は羽田空港周辺をターゲットに
まずは「月丼」を高確率的に撮れるスポットとしては「空港」があります。そんな空港の中でも沢山便のある「羽田空港」をターゲットに選んでみました。
撮影スポット選び
撮影計画を立てる上で、まず最初に重要だったのが「どこで撮影するか」です。羽田空港周辺には、飛行機を撮影するための人気スポットがいくつも存在します。
今回、私は以下の5つの撮影スポットを選び、どこに行けば「月丼」が撮れるのか選んでみました。
- 城南島海浜公園
- 浮島町公園
- 京浜島つばさ公園
- 羽田空港第3ターミナル 展望デッキ
- 川崎市東扇島東公園
があげられます。
1.城南島海浜公園
羽田空港の滑走路に近接し、飛行機の離着陸を大迫力で撮影できるスポットです。特に南風運用時には、飛行機が公園の真上を通過することもあり、月と飛行機がシルエットになる絶好の場所です。東京湾沿いに位置し、海を背景に広々とした空が広がります。
- 広い空と視界: 空が広く開けていて、飛行機と月の両方をフレームに収めやすい。
- アクセスの良さ: 都心からのアクセスも比較的良好。
- 飛行機との距離が近い: 滑走路に非常に近いため、飛行機の迫力ある姿を間近で撮影できる。
- 混雑の可能性: 人気スポットのため、特に中秋の名月や週末には混雑しやすい。
- 駐車場の満車リスク: 駐車場が混雑することがあり、早めに訪れる必要がある。(駐車場は21時に閉門)
2. 浮島町公園
城南島海浜公園よりも静かで、少し人が少ないため、落ち着いて撮影を楽しめる場所です。羽田空港の飛行機が空を横切る姿が美しく、特に南風の日には飛行機のアプローチを撮影しやすいスポットとなります。
- 静かで落ち着いた環境: 混雑が少なく、集中して撮影に取り組むことができる。
- 広いスペース: 広大なエリアで、撮影の自由度が高い。
- アクセスが不便: 駐車場がないので車での移動が不便、公共交通機関(バス)などで移動しないといけない。
- 視界の制約: 一部の場所では障害物があるため、ベストな視界を確保するのに注意が必要。
3. 京浜島つばさ公園
飛行機を真上に捉えることができるスポットとして、人気が高い場所です。展望デッキのような設備はないものの、広い空間と開けた景色が魅力です。工場夜景や東京湾の景色も一緒に楽しめるスポットです。
- 飛行機を真上に捉えられる: 低い高度で飛行機が頭上を通過するため、迫力ある撮影が可能。
- 広い空間: 公園が広く、自由なポジションで撮影できる。
- 工場夜景とのコラボ: 東京湾沿いの工場夜景も一緒に楽しむことができる。
- アクセスが不便: 公共交通機関でのアクセスが難しく、車が必要。
- 混雑の可能性: 航空ファンに人気の場所で、特に夕方や夜間はカメラマンが集まりやすい。
4. 羽田空港第3ターミナル展望デッキ
空港の展望デッキからは、飛行機の離着陸を非常に近くで見ることができ、望遠レンズを使えば金網越しに素晴らしい写真が撮れます。特に夜間は、滑走路に輝くライトと月の組み合わせが美しいです。金網があるため、レンズを金網の隙間から通す工夫が必要です。
- 飛行機を間近で撮影できる: 滑走路に隣接しており、飛行機の離着陸を非常に近くで撮影できる。
- 施設が充実: 食事や休憩ができる場所が近くにあり、長時間の滞在が快適。
- 撮影チャンスが豊富: 多くの便が発着するため、飛行機を撮影する機会が多い。
- ワイヤーフレームの存在: 展望デッキにはワイヤーフレームがあり、構図によっては撮影の邪魔になることがある。
- 混雑の可能性: 観光客やカメラマンで賑わい、場所取りが難しくなることも。
5. 川崎市東扇島東公園
川崎の工場地帯に近く、工場夜景と飛行機を絡めた撮影が楽しめるスポットです。こちらは少し離れているため、羽田空港の飛行機の姿はやや遠くなりますが、東京湾に沈む夕日や夜景を背景に、幻想的な写真が撮影できます。
- 工場夜景とのコラボが魅力: 川崎の工場夜景を背景に、幻想的な写真を撮影できる。
- 広々とした環境: 東京湾に面した広い公園で、リラックスしながら撮影が可能。
- 飛行機が遠い: 羽田空港からやや離れているため、飛行機が小さく見えることがある。
- アクセスが不便: 公共交通機関でのアクセスが難しく、車での移動が推奨される。
という感じで空港周辺での撮影スポットは沢山あるようです。
ただし、風向きにより、滑走路の使用が変わるため、飛行機の離着陸ルートを事前に確認しておかないと狙った写真が撮れない可能性があります。
私もこの風向きの変更により場所を変更したので最終的に良い結果を得ることかできました。
撮影スポット選定
最初に候補に挙がったのは、羽田空港に隣接する城南島海浜公園。ここは飛行機ファンの聖地とも言える場所で、滑走路を離着陸する飛行機を大迫力で見ることができます。さらに、海に面した開けた空が、月の撮影にはうってつけ。次に浮かんだのは、少し離れた浮島町公園でした。しかしこの場所は車での移動や駐車スペースの確保などがやや難易度が高いため第二候補は第3ターミナル展望デッキとすることにしました。
まず、これらの点を踏まえて第一候補は城南島海浜公園へ撮影することを決めました。
理由としては、南風運用時にC滑走路とD滑走路の近くに位置しており、飛行機が頻繁に離着陸するルートが見えやすい。海沿いの開けた視界が広がっているため、月が昇る様子と飛行機のシルエットを同時に収めやすく公園内での撮影は比較的安全で、自由に場所を選んで構図を考えることができる。と感じたからです。
南風運用時には、C滑走路から飛び立つ飛行機と月を、D滑走路からは離陸する飛行機と月を狙うには丁度良い場所と考えました。
事前にSun Surveyor(サンサーベイヤー)で事前に月の出るタイミングを調べることができ飛行機と月が重なるタイミングが一番高そうということで城南島海浜公園を選びました。
余談ですが、城南島海浜公園は飛行機がすぐ間近で見えるスポットとしても有名です。
デートスポットや飛行機をガチで撮影したい方にもオススメなスポットです。
理由としては、滑走路の真正面に位置し、特に離着陸する飛行機を間近で見ることができる。空港内にあり、夜間も利用できるため、時間帯を気にせずに月の撮影が可能。
広々としたスペースがあり、三脚を立てての撮影も比較的容易です。月の軌道を事前に確認し、適切な位置を確保できれば、飛行機と月の構図が撮影可能と考えました。ただし、行ってみるとわかるのですがターミナル展望デッキはワイヤーフレームで覆われており、撮影するのには唯一そこが難点ではあると感じました。
第3ターミナル展望デッキからの撮影はワイヤーフレーム越しからの撮影となるので少し注意が必要となります。
城南島海浜公園から第3ターミナル展望デッキへの移動
実際の撮影当日、私は最初に城南島海浜公園で撮影を開始しようとしていました。しかし、午後3時以降、風向きの変化に伴い飛行機の進入ルートが変わってしまい、月との重なりが難しくなりました。急遽、第3ターミナル展望デッキへと移動することになりました。
これは後から気づいたのですが午後3時から飛行ルートが変わったのが影響していたことが判明、それまでは滑走路Dからも離発着していたのが全くといっていいほどしなくなったのが原因です。
南風運用時、午後3以降は発着するルートが変わっていきます。これにより城南島海浜公園での撮影は断念いたしました。
逆に北風運用時は「D滑走路」からの離発着も多いので城南島海浜公園からの「月丼」の撮影は可能かもしれません。
月と飛行機を捉えた感動の瞬間
第3ターミナル展望デッキにはすでに沢山の人で賑わっていました。とりあえずなんとか場所を確保して月が昇ってくるまで待機…
ピンアマですが、マジックアワー時の「中秋の名月」と飛行機のニアミスショットこの後、徐々に日が暮れていくにつれ月の輝きも一層増していきました。
そして遂にその時がやってきました…
真ん丸の月が空に昇り、その前を飛行機が横切る瞬間。カメラのファインダー越しにそのシルエットが見えた瞬間、時間が止まったような感覚を覚えました。
設定はシャッタースピード1/1000秒、絞りF8、ISO感度1000。この設定で、月の細かいディテールと飛行機のシルエットを鮮明に捉えることができました。
撮影のポイントとしては月にピントを合わせたらマニュアルにして撮影するとピンボケになりにくいです。(置きピン推奨)
もう一枚撮影に成功した写真です。設定はシャッタースピード1/1000秒、絞りF8、ISO感度500。
この日は月と飛行機が重なる瞬間が4回ほどチャンスがありました。うち1回は見過ごしてしまいました。
もう一枚は若干ピンボケですがとりあえずの「月丼」、今回の撮影は上、中、下という月丼を撮ることができました。
飛行機が月をかすめる瞬間は一瞬ですので撮影中はかなり集中していました。
いや〜難しいかったですけど撮れた時の喜びは最高でした!
月が昇り始めてから1時間〜1時間半の間が「月丼」が狙えるチャンスです。逆にそれ以上月が昇ってしまうと難しくなってしまいます。
今回の撮影では、Sony α7RⅤとFE70200F28GⅡを使用し、2倍テレコンバーターで最大400mmの焦点距離を確保しました(α7RⅤの高画素に助けられた部分は大きいですが…)。設定は以下の通りです。
- シャッタースピード: 1/1000秒以上
- 絞り: F8
- ISO感度400〜 1000
撮影に適した機材選びが重要です。望遠レンズを使用すると、月と飛行機を大きく映し出すことができます。また、三脚は必須かなと思います。
レリーズは必ずしも必須というわけではないですが一瞬のタイミングを見逃さずに済むのでおすすめです。
また、事前にこういったマニュアル本など読んでから予習しておくとよでしょう。KindleUnlimitedなら無料で読むことができます。
後からこちらの動画を知ったのですが、Akira Igarashiさんの「月と飛行機」の動画も非常にわかりやすく解説してありますのでご覧になってみてください。
「月丼」を成功させるためには、事前準備が非常に重要です。今回は、いくつかの便利なアプリを使って撮影計画を立てました。
まず、月の位置や時間を確認するための「Sun Surveyor」や「Photopills」(いずれも有料版です。)というアプリを活用しました。これにより、どの時間帯に月がどの方角から昇るのかを確認することができます。
とはいえ、当日の天気が何よりも一番重要ですので天気予報は小まめにチェックすることが大切です。
「Flightradar24」は、飛行機のリアルタイムのフライトルートを確認できるアプリです。これにより、どの便がどの滑走路を使用するかを把握し、撮影スポットを決定する際に役立てました。
宿泊したホテル:川崎キングスカイフロント東急REIホテル
今回の撮影の拠点となったのは、川崎キングスカイフロント東急REIホテル。羽田空港や撮影スポットへのアクセスが良好で、静かで快適な滞在を楽しむことができました。
広々としたホテルのロビー、開放感がありなんとなくアメリカのリゾートホテルに来たような感覚になりました。
夜は、川崎工場夜景を撮影、川崎の工場地帯が放つ幻想的な光は、また一味違う夜の風景を見せてくれ、まるで映画のセットのような美しさでした。
近未来感のある工場夜景巡りもホテルから近いの散策するのも面白いです。
何よりも、ホテルからすぐ近くにある川崎工場夜景を楽しむことができます。
宿泊した時のお値段もリーズナブルでとてもオススメです!
まとめ:中秋の名月×ヒコーキの撮影を振り返って
今回の撮影で学んだことは、撮影スポットの選定と天候、風向きの確認がいかに重要かということです。
ロケハンからアプリの活用、そして最終的なスポットの変更まで、多くの要素が成功に繋がりました。月と飛行機のコラボレーションは、一瞬の奇跡とも言える瞬間。その瞬間を捉えるためには、事前の準備や柔軟な対応が重要だと感じました。羽田空港周辺には、他にも魅力的な撮影スポットが多数存在し、それぞれの場所で異なる魅力的な写真が撮影可能です。
この記事を読んでくださった皆さんも、ぜひ次の満月や中秋の名月に向けて、「月丼」の撮影に挑戦してみてください。その瞬間に立ち会えた時の感動は、言葉にできないほど美しいものになるでしょう。
もし、初めてで不安のある場合はクラブツーリズム などで「月丼」の撮影ツアーなどもあるようですのでそちらを利用するのも良いでしょう。