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美しい自然の風景写真は、多くのフォトグラファーにとって特別な魅力があります。しかし、撮影時のノイズやコントラスト不足、色被りなど、写真を見直した際に気になる点が出てくることも。
今回の記事では、実際の風景写真を題材に、Lightroomで編集しDxO PureRAW4でRAWファイルをクリーンに整え、Nik Collectionの中でも特に風景写真などで多く多用する「プロコントラスト」フィルターで写真をさらに仕上げていくプロセスをご紹介します。
写真の紹介と撮影時の課題
こちらの写真は、高ボッチ高原か諏訪湖と富士山の風景です。早朝に撮影されたため、繊細な光のグラデーションや霧氷に覆われた木々の霜が印象的ですが、以下の課題がありました。
撮影条件
- 撮影機材: Sony α7Rⅴ + FE70-200 F2.8GM2
- 設定: ISO 400、f/8、シャッタースピード1/60秒
- 課題:
- 早朝の撮影でISO 400の影響でわずかにノイズが発生。
- コントラストが弱く、写真全体がやや平坦な印象。
- 色被り(特に湖面付近)がわずかに気になる。
ではこの状態からLightroomからPureRaw4でノイズ除去とレンズ補正を行いNick Collctionのプロコントラストを使用し現像していく過程を行います。
ワークフロー全体の概要
LightroomでRAWファイルを管理し、最初の微調整を行います。
ノイズ除去とレンズ補正を行い、Lightroomでは得られないクオリティを追求。
Lightroomからプラグインを使い、Nik Collectionで色彩やコントラストを整えます。
1.Lightroom CCでの初期調整
Lightroomは、写真の管理と基本的な補正に便利なツールです。ここでは初期段階で以下の作業を行います。
手順
- 写真をLightroomにインポート
- 撮影したRAWファイルをインポートし、管理を簡単に行えるようにします。
- 露出補正
- 露出やハイライト、シャドウを軽く調整。撮影時の明暗差を少し整えます。
- この段階では過剰な編集は避けます。
- カラープロファイルを選択
- Adobeカラーでも良いのですが、自分の場合はカメラマッチングを適用(カメラST)し、ベースカラーを整えます。(お好みで)
- DxO PureRAW用にエクスポート
- ファイルをDxO PureRAWで処理するために、一旦元のRAWファイル形式で保存します。
2. DxO PureRAW4でのRAW処理
DxO PureRAWを使うことで、RAWファイルの画質を最大限に引き出します。このソフトは特にノイズ除去とレンズ補正で優れた性能を発揮します。
特にDxO PureRAWの「DeepPRIME XD2」ノイズ除去機能とレンズ補正は、Lightroomの基本的な編集では実現できない次元のクオリティを提供します
処理手順
RAWファイルをPureRAWにインポート
- Lightroomからプラグインエクストラを選択PureRaw4を選択
DeepPRIME XD2を適用
- ノイズを自動で除去し、シャープなディテールを保ちながら全体の質を向上。
- ISO 400のノイズも目立たなくなります。
レンズプロファイル補正
- 撮影に使用したレンズのプロファイルを自動で適用し、歪みや周辺光量落ちを補正。
DNG形式でエクスポート
- DNG形式でエクスポートし、Lightroomに再インポート。
Before / Afterのポイント
- ノイズが劇的に軽減され、細部がクリアに。
- 木々の霜のテクスチャがくっきりと描写されるように。
Lightroomで再現像
あとはお好みでLightroomで再調整をいたします。
3. Nik Collectionの「プロコントラスト」で仕上げ
次に、Nik Collection内の「プロコントラスト」フィルターを使って、写真の色彩とコントラストを調整します。このフィルターは、自然なトーンを保ちながら写真をより印象的に仕上げられるのが特長です。
処理手順
LightroomからNik Collectionを起動
- DNGファイルを選択し、「Photo > Edit In > Color Efex Pro」を選択。
Color Efex Pro内で「プロコントラスト」を適用。
「プロコントラスト」には「ニュートラル」「自動補正」「ダイナミックコントラスト」「ストロングコントラスト」と4種類のフィルターが用意されています。
「ニュートラル」は元画像とほぼ変わらないのですが「自動処理」「ダイナミックコントラスト「ストロングコントラスト」はそれぞれに特徴があります。
自動処理(Auto Correct)とは?
プロコントラストの自動処理は、フィルターを適用すると即座に写真を分析し、最適なコントラストとカラーキャスト補正を行います。
ダイナミックコントラスト(Dynamic Contrast)とは?
ダイナミックコントラストは、写真の明るい部分と暗い部分の細かいディテールに焦点を当てたコントラスト調整機能です。
ストロングコントラスト(Correct Contrast)とは?
ストロングコントラストは、写真全体の明暗差をダイレクトに調整する機能です。
ダイナミックコントラストとストロングコントラストの違い
機能名 | ダイナミックコントラスト | ストロングコントラスト |
---|---|---|
調整範囲 | 明部と暗部の微細なディテールを強調 | 写真全体の明暗差を引き締める |
効果の強さ | 自然で繊細なコントラスト強調 | 力強い印象を与えるコントラスト補正 |
用途 | ディテールが目立つ風景や背景の補強 | 平坦に見える写真や力強さを求める写真 |
注意点 | 適用範囲を限定することで不自然さを防ぐ | 強調しすぎるとハイライトやシャドウが飛ぶ可能性 |
Before / Afterのポイント
今回の編集はダイナミックコントラストを適用しました。適用することによってメリハリのある写真になったかと思います。
- 山と雲のディテールが際立ち、より立体感のある仕上がりに。
- オレンジの朝焼けのグラデーションが鮮やかに表現。
- 色被りが取り除かれ、湖面がクリアで自然な色彩に。
4. 完成した作例
以下が、最終的に仕上がった写真です。今回はダイナミックコントラストで最終仕上げをしてみました。 編集前と比べて、ディテールと色彩が大幅に向上し、撮影時の感動をより正確に再現することができました。
ビフォーアフターの比較:
- Before: ノイズが目立ち、色味が曖昧で平坦な印象。
- After: ノイズが軽減され、コントラストが調整されてクリアで深みのある仕上がり。
5. 応用アイデア
今回のプロセスは、夜景や風景写真だけでなく、ポートレートや建築写真などにも応用可能です。
応用例
PureRaw4とNick Collection「プロコントラスト」を使った作例
- ポートレート: 肌の質感を活かしつつ色被りを調整。
- 建築写真: ライティングの明暗差を強調し、ディテールを引き出す。
注意点
- 過度な調整を避ける: プロコントラストは強力ですが、過剰なコントラスト調整は不自然な仕上がりになることも。微調整を心がけましょう。
- 処理前後の比較を忘れずに: 編集の各ステップで違いを確認し、方向性が正しいか見極めます。
6. まとめ
DxO PureRAWとNik Collectionの組み合わせは、初心者でも簡単に使えるだけでなく、プロフェッショナルな仕上がりを実現できる非常に強力なツールセットです。 SNS等にアップするくらいでしたら少しコントラストが高めのほうが映える写真になるので是非活用してみてください!
今回の作例を参考に、ぜひご自身の写真でも試してみてください。
おすすめポイント
- DxO PureRAW: RAW現像のノイズ除去とレンズ補正で、基礎を強化。
- Nik Collection: 繊細な調整が可能な「プロコントラスト」で、写真を一段と美しく仕上げる。
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